パッシブデザインを語るうえで欠かせないのが、断熱というキーワードです。
「夏涼しく、冬暖かい」住まいを実現するパッシブデザインでは、温熱環境に直結する断熱性能の高さはとても重要な要素です。
今回はこの断熱性能について、弊社ベルハウスの実際の仕様を交えてご紹介します!
1.断熱はなぜ重要?
・高断熱は夏暑くなる?
2.断熱性能を上げるためのポイント
【ポイント1】適材適所の窓配置
【ポイント2】高性能な断熱材をしっかり施工
【ポイント3】気密性能を高く
3.まとめ
そもそも「断熱」はなぜ大切だと言われるのでしょうか。
その理由は、「断熱性能が低ければ、せっかく住宅に取り込んだ熱を逃してしまうから」です。
パッシブデザインでは、暖房設備だけでなく日射熱などの自然エネルギーを利用して、住宅内に熱を取り入れ暖かい空間になるよう設計します。
しかし、せっかく取り入れた熱も、断熱性能が低ければ窓や壁、そして隙間から外に逃げてしまいます。
さらには冷たい外の空気が入り込み、室温を下げてしまいます。
そのため、断熱性能を向上させることによって、外気からの影響によって室温が下がることを防ぎ、室温は暖かいまま維持することが可能になるわけです。
・高断熱は夏暑くなる?
高断熱の住宅は冬は快適だけど夏は逆に暑くなりそう……というイメージがある方もいるかもしれませんが、それは少し違います。
断熱性能が低ければ、せっかく冷房で冷やした空気が外へ逃げてしまい、逆に外の暑い空気が入り込んでしまうのです。
ただし、断熱に力を入れているほど、対策(日射遮蔽など)をしていなければ、逆に熱された空気が内に籠ってしまうことも。
夏の暑さは遮断しつつ、室内の涼しい空気は逃がさないように。
適切な設計をすることで、夏であっても冬であっても、外気からの影響を抑え快適な室温を長時間保つことができます。
では、実際に断熱性能を向上させるにはどのようにすればいいのでしょうか?
今回は、兵庫県を中心に家づくりを手掛けている弊社ベルハウスの仕様を例に、ポイントを3つに絞ってご紹介します!
【ポイント1】適材適所の窓配置
住宅で一番熱の出入りが多いのは開口部──すなわち窓です。
夏であれば、住宅全体で流入してくる熱の約6~7割は窓からです。
ベルハウスでは、高い断熱性能を持つLow-Eガラスを採用。
特殊な金属膜が入った、熱を吸収・反射するガラスです。
さらに重要なのは、「場所によって窓を使い分ける」ということです。
南面などの夏の日差しが入り込む窓には遮熱タイプを使用。
暑い日差しをカットし、室内に熱が籠ってしまうのを防ぎます。
逆に冬の日差しを取り入れたいところでは断熱タイプを使用。
日射は程よく取り入れつつ、室内の暖気は逃がさないようにします。
このように場所によって窓を使い分けることによって、室温を適切に保てるのです。
【ポイント2】高性能な断熱材をしっかり施工
もちろん、窓以外の場所の断熱も重要です。
ベルハウスでは、家の内側には高性能グラスウールと気密シートを施し、外側にはEPS断熱を使用するダブル断熱仕様に。
高性能な断熱材を使うことはもちろん、同時に高いレベルの気密施工をすることで、ダブル断熱の高い性能が十分に発揮されます。
【ポイント3】気密性能を高く
先ほどのダブル断熱のお話で出てきた「気密」というワード。
これも断熱性に関わる大事な要素です。
気密性能が低いとはつまり、その住宅の隙間が大きいということです。
隙間の面積が大きいと、外気温の影響を大きく受けてしまう家になってしまいます。
外気に室温が左右されないよう、しっかりとした技術に基づいた工事で気密性能を上げることが重要になります。
四季によって温度差がある日本で快適な住宅づくりを目指すなら、温熱環境に関することは無視できません。
注文住宅をお考えの方は、是非パッシブデザインとその断熱計画について注目してみてはいかがでしょうか。